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小林よしのり
2018.1.28 02:37日々の出来事

「新・堕落論」の意図


人の感想を限定したくないから『新・堕落論』の意図を

言うまいと思っていたが、トッキーが報告してくれた

読者感想に感激したので、ひとこと言っておきたい。

 

『新・堕落論』はトッキーがブログで書いたように、

文学と哲学から現代を分析する本です。

 

なぜそうしたかと言うと、ネットという「近代合理主義」

の浸透によって、「感情の劣化」が進んでいるからです。

 

大人の間では、「大学に人文学科は要らない」と主張する

者が現れている始末で、経済的利益に直結しない学問は

排除される勢いです。

 

しかし、国民が歴史の中で醸成してきた情緒や、一見、

非合理に見える慣習を守るのが「保守」なのです。

それは『新・堕落論』の一章として描いた、

イノベーションとシュムペーターの理論からも、

資本主義の非合理な真実として証明されます。

 

感情が劣化すれば、文学や哲学などの抽象論が理解でき

なくなってしまいます。

抽象論が理解できない人間は感情が劣化するのです。

『新・堕落論』は感情の劣化との戦いです。

果たしてどのくらいの国民に受け入れられるでしょう?

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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